アンソニー・ハンソンMW(※)推薦の一押しドメーヌ エリアNo.1急斜面のグラン・クリュ格畑“モンダネ”に加え 石灰岩の強いキンメリジャン土壌の「テール・ブランシュ」が出色 <エティエンヌ・ドールニー>
サンセールは、フルーティでチャーミングなタイプからミネラルの骨格が雄大で長期熟成に耐えるタイプまで、幅広いスタイルのワインを生み出すが、当然それを生み出す多彩で広大なテロワールを有している。
ドールニー家のあるショードネイ村は、広大なサンセール。中でも、雄大でミネラルに富む別格サンセールを生み出す急激な斜面の麓にある。ドメーヌが所有する15haの畑の殆ど全てが南向きという絶好の区画を擁し、ほぼ無農薬に近いリュット・レゾネの農法を20年以上前から採用している。機械収穫も含め多産生産者が多いこの地域では、例外的に少ない収量で王道のサンセール造りを行ってきている。
類稀なるミネラル土壌に起因した、まるでピュリニィ・モンラッシェを思わせるような雄大な骨格と、南向きの斜面と低収量に起因する完熟したソーヴィニヨンの豊かな果実味という2つの要素が両立する完璧なサンセールである。
積極的な宣伝をしない為、生産の大部分は国内レストランとイギリスの愛好家の手に渡って完売という状態のドメーヌ。英国マスター・オブ・ワインの元会長、アンソニー・ハンソン氏は、英国での個人ビジネスとして、専門ワインショップグループの為にファインワインをセレクトする仕事をしているが(Haynes Hanson & Clark社)、同MW会長の紹介で80年代後半から日本にも少量ながらご紹介できるようになった経緯を持つ。
ドメーヌでは、伝説の「ドメーヌ・コタ」等で著名なサンセール特級格”モンダネ”を1haほど所有するが、贅沢にもスタンダードのサンセールにブレンドしてリリースしている。
あくまでも古き良き牧歌的な農民ドメーヌなのだ。
※アンソニー・ハンソン氏:元MW会長、元クリスティーズ・ワイン部門統括代表