1997年に当主になった直後から、コート・シャロネーズ地区のトップの一角、そしてメルキュレイの“No.1”としての評価を得たブリュノ氏。更なる高みへ、円熟の芸術的領域へと向かう<ドメーヌ・ロレンゾン>
ブリュノ・ロレンゾン氏が当主となった1997年以来、姉・キャロリンヌを片腕としてドメーヌを運営。パリ3つ星レストランがこぞって買い付けた為、あっという間に欧米で脚光を浴び、衝撃的なデビューを果たした。今やメルキュレイのみならず、コート・ドールの銘醸ワインとも遜色のない出来栄えで、ブルゴーニュ全体においても注目を浴びる新世代の造り手の代表である。生産量は僅か2万本弱程度で、フランス国内での需要が大半を占め、日本への割当もごくわずかとなっている。
ブリュノ氏は樽職人としてキャリアをスタートさせ、地元フランスのみならず、世界各国で見識を積み、今では他国のコンサルタントも行う。「畑仕事の90%でワインの出来が決る」と言及し、栽培において除草剤を使わず、キャノピー・マネージメント(葉の茂り具合を調整・通風を良くし、湿気を防ぎ、健全な葡萄を造る)に十分な時間をかける。低収量(20~30hl)、過度に熟しすぎない、自然な完熟のタイミングを厳密に測り収穫する。熟知した樽使いは絶妙である。今や、コート・ド・ニュイを代表する著名生産者が彼に樽をオーダーするほど。
一般的にイメージされるメルキュレイ村のワインにありがちな、乾いたタンニンのニュアンスを持つワインとは、一線を画し、白はコート・ド・ボーヌ特級格、赤はコート・ド・ニュイの銘醸ワインの品格を放つ、その酒質に驚愕する。