ブルゴーニュ若手ヴィニュロンの期待の星 今、次世代のトップドメーヌの実力確かめたい!
1998年に若きシプリアン・アルロー氏が実質的にドメーヌの運営を始めてから頭角を現した。モレ・サン・ドニ村に本拠を置き、父親のエルヴェ・アルロー氏が70年代よりドメーヌの元詰を開始した由緒あるドメーヌである。徐々に畑を買い足して現在の15haの畑をもつ確固たる礎を築いた。平均樹齢30~50年のモレ・サン・ドニ村を中心に、ジュヴレイ・シャンベルタン村とシャンボール・ミュジニー村の最良の区画に葡萄畑を所有する。
対処農法であるリュット・レゾネ方式を採り入れ、現在ではほとんどの畑でビオディナミのアプローチを行い、テロワールをより良く表現する為に尽力をしている。醸造は、ステンレスタンクで低温マセラシオン醗酵を行うものの、過度の抽出は避けている。格付やヴィンテージにより新樽を30~60%使用し樽熟成。また、SO2を極力最小限しか使用しないスタイルを採用しているため、ピノ・ノワールのピュアな果実味をダイレクトに味わうことができる。シプリアン氏の品質に対するこだわりの一環として、徹底した選果を行い、基準に満たない葡萄や樽は全てネゴシアンに売却している。そのため、必然的に最高水準のものだけが瓶詰される仕組みになっている。
弟のロマン氏が2004年よりドメーヌに入り、兄と共に、醸造面を手伝う。また妹ヴェルティーユは、馬を使った耕作を行い、ビオディナミのアプローチをより充実させている。今やドメーヌのみならず、他の造り手からも耕作を依頼されたりしている。兄弟で力を合わせ、ドメーヌを盛り上げている。シプリアン氏は、栽培・醸造・マーティングにおいても非常にバランス感覚に優れており、今後のブルゴーニュを担っていく若手筆頭株である。