ミッシェル氏50年目の集大成とラロッシュ家の永遠への始まり
僅か6haの小規模零細ドメーヌから、世界的に著名な100ha超の銘畑を所有するクオリティネゴシアンに発展させた、シャブリを代表するワイナリーを築いたミッシェル・ラロッシュ氏。
その名がワイン史に燦然と輝くのは、大規模ワイナリーながら、最高峰の品質を誇るワインを生み続けてきたことにある。氏は、シャブリのグラン・クリュ協会の会長も務め、1998年には、ワインスペクター誌で<ホワイトワイン・オブ・ザ・イヤー>に輝くなどシャブリ最高峰の名誉を欲しいままにしてきた、まさに“シャブリの帝王”と呼ばれる大人物である。
16歳からワイン造りを行ってきたミッシェル氏が、50年目にして、人生の集大成として選んだのが、「テロワール・シャブリ」の究極を体現する「オートクチュール」とも呼ぶべき小規模ドメーヌ、ル・ドメーヌ・ダンリである。
生みだされるワインは、“クチュリエ”ミッシェル氏による「手造りの1本」、「洗練を究めるように磨きあげられた、一点の曇りもなき緊張感のある芸術的領域に達したワイン」である。
<ル・ドメーヌ・ダンリ>のワインを試す者はみな、ACシャブリはトップクラスの造り手による1級シャブリに比肩し、1級フルショームのワインは、同じくトップクラスの造り手によるグラン・クリュのレベルにあることを知ることになる。
中でも、“シャブリの至宝”とも言える樹齢75年の古木の葡萄のみで造られるフラッグシップワイン「Héritage/エリタージュ」は、もはやAOCを超越し「芸術の領域」に達したワインと言っても過言ではない。
それは、ル・モンラッシェ、シュヴァリエ・モンラッシェ、あるいは、レ・ドモワゼルやレ・ペリエール(dessus/ドゥシュ)等から生み出される一部のワインの如く、単なる味覚の優劣を超え、飲み手の五感・五臓六腑全てに振動を与え「感動」をもたらす、つまりは、音楽や絵画等と同様の「芸術領域」の価値感を備えた「神に祝福されたワイン」なのである。
ミッシェル氏にとっての「人生の集大成」であり、「伝説の最終章」であるル・ドメーヌ・ダンリは、同時に名門ラロッシュ家の6代目、7代目…にも連綿と引き継がれてゆく「永遠への始まり」でもある。