ビオロジック栽培、亜硫酸添加極少量、健全な葡萄から究極のBIO によって表現する、 女性醸造家による純粋で美しいワイン。リオハの次世代トップ・ドメーヌ筆頭株<エル・モソ・ワインズ>
リオハワイン発祥の地、リオハ・アラベサの中でも、古くからの伝統的主要産地であったランシエゴ村にドメーヌを構えるエル・モソ。人口僅か650人の小さな村に、現在ヴィニュロンは20軒のみ。その内、ドメーヌ元詰めは7軒のみだが、リオハの英雄テルモ・ロドリゲスの「ランサガ」や、新世代のライジングスター、ロベルト・オリヴァン率いる「テンテヌブロ」のボデガがある注目の村だ。
カンタブリア山系の1つ、トローニョ山脈の麓、標高541Mにあるランシエゴ村。リオハ・アラベサ地区でも東側の内陸部にあるため、北大西洋の冷涼な風に加えて、地中海からの暖かい風も入り込む、北大西洋と地中海性、2つの気候が交わり独特のミクロクリマが生まれる地点である。
つまり、石灰岩の山、トローニョ山脈の南向き斜面の山裾に広がる畑には、地中海からの暖かく乾燥した風が吹きこみ、葡萄はよく熟し糖度も高くなる一方、北大西洋の冷涼な風も吹き込み、また、標高が高く朝晩は冷涼で寒暖差が大きいため、酸とミネラルが豊富な凝縮度の高い優れた葡萄となる。
現在の当主は、初代当主セザレオ・コンパニョン氏の孫娘にあたるイチャソ・コンパニョン氏。ワイナリー名の「El Mozo(坊や)」とは姉妹よりも小柄だった祖父セザレオ氏のニックネームであった。
セザレオを継いで、二人の息子でイチャソの父フェリックスと叔父のアルベルトがランシエゴ村の伝統的な造りであるマセラシオン・カルボニック法でワインを造り、主に大きなワイナリーに販売してきた。
2010年、叔父のアルベルトに次ぎ、父のフェリックスが亡くなり、ワイン造りを行う人がいなくなってしまったことから、バルセロナで映画の勉強をしていたイチャソが実家に戻り、100%ドメーヌとしてのワイン造り・販売を始めた。
まずは父たちの伝統的なワイン造りを踏襲し、マセラシオン・カルボニック法でスタンダードキュヴェの「エリゴイア」を造り始めた。同時に、栽培面での改革に取り組み、オーガニック栽培を始め、フレッシュ&フルーティな「エリゴイア」だけではなく、バスク・リオハの歴史的中心地、ランシエゴ村のテロワールを復活させるべく、区画毎のテロワールの個性を体現するワイン「マラスピエドラス」「コスモナウタ」を造り出していった。
畑はランシエゴ村に10ha(18区画)を所有。トローニョ山脈の山裾、標高450-680Mにある南向き斜面の畑。平均樹齢は30年だが、1940年に祖父のエル・モソが植えた、樹齢80年の古木もあり、トップ・キュヴェの「エル・コスモナウタ」の赤ワインを造る。
土壌はトローニョ山脈の石灰岩に鉄分を含有する赤い粘土土壌。ワインに豊かなミネラル感を与える。
「バスク地方、リオハ・アラベサの伝統的主要産地であったランシエゴ村に
受け継がれてきた畑、祖父が植えた80年前の古木も遺る畑は、まるで<自然に佇む美術館>のように美しく貴重で価値あるもの。それらを守ってゆくためにビオロジック栽培を始めた」というイチャソ。葡萄樹の仕立て方も、灌木の茂みに囲まれた土地に<株仕立て>で植える、リオハ古来の「エル・バソ」を取り入れている。