ロメオ・デル・カステッロは、18 世紀初頭よりエトナ山の北斜面、標高700mのランダッツォに位置。 女性当主キアラ・ヴィーゴが、シチリアを代表する醸造家サルヴォ・フォーティの指導の下、有機栽培したネレッロ・マスカレーゼからエトナ・ロッソを造る。
同家の地所は30haで、葡萄畑の他、洋梨やヘーゼルナッツ、樫の木の林やオリーブ園を有する美しいエステートだったが、1981年、エトナ山の噴火でほとんどが溶岩
に覆われてしまった。
奇跡的に噴火をまぬがれた3haほどの葡萄畑と残った建物の一部をワイナリーとして建て直し、2004年、10haの畑に葡萄を植樹。ファースト・ヴィンテージは2007年。元々の畑にあったプレ・フィロキセラの樹齢70~100年、エトナ伝統のアルベレッロ式で丁寧に仕立てられたネレッロ・マスカレーゼは、今も実を結ぶ。
シチリアの日照がもたらす成熟感、北向き斜面と高い標高が与える酸と香り、溶岩土壌ならではの鉄をも感じるミネラル、ネレッロ・マスカレーゼ本来の繊細なタンニンが高次元で交わる気品に満ちたワインを造り続ける造り手である。