キャンティ・クラシコ・エリアの中心部に広がるパンツァーノ・イン・キャンティ。イタリアを代表するワイン・コンサルタント、ステファノ・キオッチョリが「もしフランス式の格付けをするなら、真っ先にグラン・クリュとなる」と評するエリアある。350m~450mの標高と急な斜面、土壌は薄片のシェール、ガレストロ、石灰を多く含み、高品質のサンジョヴェーゼを育む。中でも、11世紀から葡萄栽培の歴史を持つ「黄金の渓谷」と呼ばれるコンカ・ドーロは、豊富な日照を誇る、サンジョヴェーゼに最適な区画とされる。
カファッジョはこのコンカ・ドーロの地に15世紀からの長い歴史を持つ名門で、現在は30haの葡萄畑を所有する。1967年に行った大規模な改修と植替えから対外的な評価を高め、既にトスカーナでは知られた存在であったが、2014年のノーベル賞晩餐会で、史上初めて提供されたキャンティ・クラシコにカファッジョが選ばれたことから、瞬く間に世界中のソムリエとワイン愛好家に知られるワイナリーとなった。
更なる品質の向上を期して、醸造ではGambero Rossoでイタリア最優秀醸造家賞を受賞したジュゼッペ・カヴィオラを2012年より招へいし、栽培では農学者ルッジェーロ・マッツィーリ博士の主導により、有機農法へ転換(2017年VTGより有機認証を取得する)した。現在は、5つのキャンティ・クラシコ(内、2つは単一畑)と、2つのスーパーIGTを醸し、カファッジョの地が持つ類いまれなテロワールを最大限に表現している。