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昨年からスタートしたCVF クラブ・ヴィーノフェリーチェ(ファインイタリアワイン試飲研究会)も、はや7回目となり、10月19日東京、10月21日大阪にて、「イタリアの最高峰赤&白の生産者」のパオロ・スカヴィーノ(バローロ)、テルラーノ(アルト・アディジェ)を中心に、約50種類のイタリアワインをご用意し、試飲会とセミナーを開催いたしました。
イタリアが誇る最高峰赤&白の生産者のセミナー。
パオロ・スカヴィーノ(バローロDOCG)&テルラーノ(アルト・アディジェDOC)を特集しました。
イタリアの最北から南端まで、造り手とテロワールの個性が体現されたワイン約50種のフリー試飲を行いました。
イタリアが誇る最高峰赤&白の生産者のセミナー。
パオロ・スカヴィーノ(バローロDOCG)&テルラーノ(アルト・アディジェDOC)
今年2021年で設立100周年を迎えたパオロ・スカヴィーノ。エントランスには「1921」の文字が刻まれてます。パオロ・スカヴィーノの100年間は、まさにバローロという産地の再興と共にありました。
バローロといえば「王のワイン、ワインの王」と称されますが、セミナーはその由来を紐解くところからスタートしました。
バローロは、フランス・サヴォア地方からピエモンテ一帯を支配してきたサヴォイア王家の一員であるカミッロ・カヴール氏が、出身のピエモンテで最高の赤ワインを造ることを指示したことに始まります。この王族はイタリア統一運動の中心となり、統一後、イタリア王国初代国王や初代首相を輩出した名門家でもあります。
統一イタリア初の王家が生み出し愛したワイン、バローロは、19世紀後半には宮廷だけにとどまらず、万博などの品評会にも出展され、数々の高い評価を得て一般市民にも知られるところとなり、その後、イタリア最高峰赤ワインの名声を獲得するに至りました。
大変な隆盛を極めたバローロですが、二度の世界大戦によって畑は荒廃し、ワイン産業は一気に衰退してしまいます。10社ほどの資本力のある大手ネゴシアンのみが残り、小作農民たちは葡萄を安価で買い叩かれて貧困にあえぎ、バローロの畑で働く意味すら見出だせなくなっていました。
そんな時代に、状況を打開するため立ち上がった若者がいました。後に“バローロ・ボーイズ”と呼ばれるようになるヒーローたち、パオロ・スカヴィーノや、エリオ・アルターレ等です。
彼らはブルゴーニュを視察し、葡萄がネッビオーロの25倍(!)もの価格で取引される市場と、テロワールと造り手の個性と想いを反映したワインを農民自身で造っていることに大きな衝撃を受けて帰国します。ネッビオーロの可能性とバローロ地区のテロワールの力を信じていた彼らは、帰国後すぐに改革に取り組み始めます。
かつてブルゴーニュでも小作農家が「質より量、低価格」の葡萄ばかりを大手から求められていた時代に、アルマン・ルソーやマルキ・ダンジェルヴィルらが商慣習上タブー視されていた農家元詰ワインを造り始めて農民たちの光となったように、パオロ・スカヴィーノら小作農家たちはバローロに希望と誇りを取り戻すため、自家元詰めワインを生産し、また、高い品質を実現するためにグリーンハーベスト、ロータリーファーメンター、バリック等の導入や、化学肥料の中止等の改革を行いました。
そして1978年、当時37歳だったエンリコ・スカヴィーノ氏はバローロをさらなる高みへと導きます。その輝かしい成果が、“ロマネ・コンティ”のように単一畑のみで造られた、クリュ・バローロの誕生です。年々高いレベルに仕上がっていた単一畑のネッビオーロだけで醸造・瓶詰めを行い、その畑名をワイン名に冠した“ブリック・デル・フィアスク”をリリースすると、すぐに著名ジャーナリストによって“最高峰バローロ”として紹介され、またたく間に完売しました。
彼らを倣って自家元詰めをする農家も増え、その品質が世界的に認められたバローロの畑面積は、今ではDOCG認定時(1980年)の約2倍にも広がりました。
農家から独立した当初は世界の偉大なワインと勝負するために、濃縮させ樽の風味を強くつけた「ビッグワイン」を造る人が主流でしたが、スカヴィーノをはじめとするトップランナーたちは「バローロにしかない土地の個性や、その葡萄本来の味で勝負しよう」という「テロワール回帰」の気運が高まり、よりピュアな醸造を行うようになりました。パオロ・スカヴィーノでは現在はロータリーファーメンターの使用をやめ、新樽率も当時の半分以下にして、テロワールの個性を前面に打ち出す芸術的でナチュラルなワインを産み出しています。
世界的な名声を手にしても甘んじることなく、実直で敬虔な農家であり続けたエンリコ・スカヴィーノ氏。彼は、ワインが売れるとすぐにそのお金を注ぎ込んで優れた畑を買い足し、今では11コムーネのうち9コムーネに29haの畑を所有する偉大なカンティーナに成長しました。
エンリコ氏は「良い畑を見つけると欲しくてたまらず、全財産を南向きの優良クリュに注ぎ込んだ」と語っていますが、畑はすべて優良クリュの中でも南向きの別格区画ばかり。
1978年のブリック・デル・フィアスクから始まった単一畑のみで造るクリュ・バローロは現在8種類にまで増え、まるで小さなヴォーヌ・ロマネ村内でも、ロマネ・コンティ、ラ・ターシュ、サン・ヴィヴァン、リシュブールと個性の異なる傑出したワインを生み出すDRC社のように、各畑ごとの個性を体現した多彩なバローロを産み出しています。
セミナーでは、バローロの11コムーネ(主要5コムーネ+6サブコムーネ)のテロワールを比較するため、バローロだけで全11種類もの試飲をご用意させていただきました。中にはエンリコ氏からのサプライズプレゼントで、希少なカンヌビとブリック・デル・フィアスクも登場し、バローロ尽くしの贅沢な比較試飲をご体験いただきました。
「業界プロフェッショナルと愛好家の間でアルト・アディジェは名声高く、尊敬されているが、その理由はテルラーノにある」とGambero Rosso誌(※)の記者が執筆したように、別格扱いの評価を受ける偉大な造り手がテルラーノです。ブルゴーニュ特級白ワイン(モンラッシェ等)に比肩するレベルの唯一のイタリア白として世界に誇る白ワインを生む造り手です。
※Gambero Rosso ガンベロ・ロッソ:イタリアを代表するワイン評価ガイド
フランスに比べ豊富な日照を得ることができるイタリアには、偉大な赤ワインはもちろんのこと、フィアーノやロサッツォ等、太陽をたっぷり浴びた果実味豊かなスタイルの“偉大な白ワイン”が数多く存在します。一方、ブルゴーニュの特級白ワインのようにイタリア国外の3つ星レストランでオンリストされる“シリアスで偉大な白ワイン”は数えるほどしかありません。
テルラーノのワインは、NOMAやアラン・デュカス等、美食家が行列する世界中の星付きレストランにオンリストされる等、荘厳なまでの偉大なシリアスさ、長期熟成能力を持つ、まさに“モンラッシェ”に比肩する “偉大な白”として、世界中で高い評価を得ています。
セミナーでは、テルラーノが造る白ワインがなぜこれほどに特別なものになるか、アルト・アディジェのテロワールと、栽培・醸造面からご説明させていただき、また試飲を通じてご体験いただきました。
テルラーノが拠点を置くアルト・アディジェは、イタリア最北のワイン産地。背後にアルプス山脈がそびえ、南西側にイタリア最大の湖・ガルダ湖が広がります。
多くの葡萄畑が山岳地帯に広がっている中、テルラーノの畑は人間もまっすぐに立てないほどの急斜面にあります。機械も入れない“垂直に感じるほどの傾斜”のために、畑仕事はすべて手作業で行われます。過酷な環境での労働時間は1haあたり700時間にもなり、DRC社を超えるレベルの長い時間をかけてテルラーノの葡萄は丁寧に育てられます。
また、急斜面にある畑の葡萄は水はけのよさによって自然と収量が抑えられて小粒となり、豊富な日照を浴びて果皮のフェノール類までしっかり熟し、寒暖差が生む高い酸度を保持したまま完熟していきます。
さらに特筆すべきは、テルラーノの土壌です。一般的なアルト・アディジェの土壌は海底が隆起した石灰岩土壌や氷河由来の堆積土壌が主流であるのに対し、テルラーノの畑は水晶を多く含む非常に痩せた《火山性石英斑岩土壌》という、例外的なテロワール。
テルラーノはこの唯一無二の畑から生まれる、“非常に力強いパワー”と、強烈といえるほどの鉱物系ミネラルを持った葡萄から、イタリアでも稀に見る“特別な高いテンション”と“驚くべき長期熟成力”を持つワインを生み出しています。
テルラーノでは、唯一無二のテロワールで育まれた素晴らしい葡萄のポテンシャルを最大限に引き出すために、一般的な白ワインと少し異なる醸造を行います。
ひとつは、“発酵時の温度の高さ”。一般的な白ワインはアロマと酸を保つために低温(12-16℃)で発酵を行うのに対し、テルラーノの別格のアロマと酸を持つので、その減少を恐れず20-24℃という高めの温度で発酵させ、厚みのあるリッチな味わいのワインに仕上げます。
次に、“シュール・リー期間の例外的なまでの長さ”。テルラーノのセラーで最も長いものは、1979年から今もシュール・リーで寝かされています(なんと42年目!)。これは、この地の恵みによる酸度やミネラル含有の高い葡萄を丁寧な手摘みによってカビの一切ない状態で収穫しているからこそ成せる技です。
こうして、唯一無二のテロワールから、手間隙をかけて丁寧に育んだ特別な葡萄を用い、一般的な白ワインでは不可能な特別な醸造を行うことで、イタリアでも類を見ない最高峰の白ワインを生み出すことができているのです。
セミナーではテルラーノが誇るトップ・キュヴェ、《収量35hl/ha》&《年産3,000本》という“テルラ―ネル・Ⅰ(プリモ)・グラン・キュヴェ”を含む希少なワインをご試飲いただき、特別なテロワールと特別な醸造による最高峰白ワインのエネルギーを感じていただきました。
フリー試飲会場にはその他にも、単一品種のクラシック・シリーズや、単一畑のヴィンヤード・シリーズ、特別キュヴェのセレクション・シリーズ等を取り揃えましたが、一度ご試飲された方が最後にもう一度リテイスティングされにいらっしゃるほどのご好評いただきました。
イタリアの最北から南端まで、造り手とテロワールの個性が体現されたワインの約50種を “海のワインのマリアージュ”、“泡 Effervescenza(エフェルヴェツェンツァ)”等の特集ブースにてご試飲いただきました。
「海のワイン“SULK(スルキ)”」と、「元祖オーガニックのシチリアワイン“ラムーラ”」の、ミネラル由来の塩味を持つ海のテロワールに合わせ、サルデーニャの名産品であるペコリーノ・サルルド、ボッタルガ(カラスミ)という“海のマリアージュ” をご体験いただきました。
ビアンカヴィーニャ(プロセッコ)
コスタリパ(ロンバルディア)
最新2022年度版も見事トレビッキエーリ(※)を獲得した2生産者によるトップ・スプマンテの“泡 Effervescenzaブース”も大盛況。気候や土壌等のテロワールの質ではフランチャコルタを圧倒する「ヴァルテネージ地区」にあるコスタリパを、同価格帯の著名フランチャコルタと比較してご試飲いただくことで、多くのトッププロの皆さまから「格付けを超えた上質な味わい」との高評価をいただきました。また、ビアンカヴィーニャのブリュット・ナチューレ(ドサージュ・ゼロ)によるプロセッコの緻密な泡立ちとエレガントさにも、「シャンパーニュを超える」との大きなご好評をいただきました。
その他、フリー試飲会場では、北から南まで、ヴィーノフェリーチェを代表するワインの数々をご堪能いただきました。
ベトゥッレ(フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア)
フリウリの別格区画ロサッツォでワインを30年以上も有機農法でワインを造り続け、Gambero Rosso誌が「フリウリ(全6,644軒)の頂点」と大絶賛する造り手
マソ・グレーネル(トレント)
ラヴィス社をイタリアベスト3にまで押し上げた天才による、トレント最北のグラン・クリュ格畑から生まれる“究極のオートクチュールワイン”
ブッシア・ソプラーナ(ピエモンテ/バローロ)
50年かけて世界中の極上のワインを知り尽くした凄腕クルティエが到達した「No.1バローロ」&バローロ区画のみで造る究極のバルベラ、ドルチェット
コスタリパ(ロンバルディア)
「イタリア最優秀醸造家賞」を5度も受賞する天才醸造家マッティア氏のワイナリー。トップシャンパーニュでも一部生産者しか行わない樽発酵・樽熟成で造るスプマンテとロゼ
ビアンカヴィーニャ(ヴェネト/プロセッコ)
広大&平地がほとんどのプロセッコにおいて最上の「急斜面&石灰土壌」のグラン・クリュ格から生まれる逸品で、ミラノ万博「イタリアを代表する100ブランド」でプラダ、ブルガリ等と並び、プロセッコ全348社から唯一選出されたプロセッコ
サンターディ(サルデーニャ)
伝説のエノロゴ、ジャコモ・タキス氏が晩年に情熱を注いだサンターディ社の新作、9月に新発売となった“海のワイン” SULKI(スルキ)
ラムーラ(シチリア)
オーガニック認証&この価格帯でJS90pts! ブロックチェーン認証を受けた世界初オーガニックワインで独自の窒素充填醸造システムによりSO2を70%カットした元祖シチリアンオーガニック
改めまして、ご来場いただいた皆さま、誠にありがとうございました。
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