国産ファインワイン取り扱いスタートについて(代表挨拶)

(株)ヴァンパッシオン代表取締役 川上よりご挨拶

★国産ワインへの想い

海外生活をしている日本人の多くが同様の感覚を持たれると存じますが、私もパリ在住時代に、「現地における外国人」として生活し、「自分は、嫌が応にも日本人である」という実感と共に、自らのアイデンティティを深く思索するようになりました。

遠く日本を離れて生活していると、残念ながら日本の悪い点も見えてきます。

一方、武士道などに代表される精神性、華道・茶道などに代表される奥深い文化、複雑多岐でニュアンスに富んだ言語を持ちつつ目で心が通じあうコミュニケーションの奥深さ、といった、日本の優れた美点も多く見えて参ります。

そして自分がこのような文化の高い日本に生まれたことに誇りと喜びを見出すようになりました。

これが海外文化たるワインの普及・販売をするインポーターでありながら、「国産」という日本固有の文化を前面に押し出したワインを取り扱いたいという思いを持つに至った原点です。

また日本帰国後、ワイン販売に携わるプロフェッショナルとして活動する中で、多くの酒販店様・レストラン様の、

「日本のワインに思い入れはあるが、流通体系上、プロとしての取り扱いが難しい」

というお声をよく耳にし、ますます日本のワインを我々が取扱いたいという思いを強くしました。

そんな中、我々ヴァンパッシオンが創業時から夢として掲げたのは、

「世界に追随するのではなく、日本固有の文化を前面に押し出して、世界のファインワインに伍するワイン」

を取り扱うことでした。

★今村英勇氏との出会い

2007年、我々の夢が実現される出会いがございました。
シャトー勝沼の今村英勇社長との出会いです。

同社は長年、大衆的なワインを製造し、大規模流通に載せて、ワイン文化の裾野を広げる仕事をしてこられておりました。

この大衆路線は、ビジネス上の戦略のためだけではありませんでした。

この地に生まれ育ち、自身も代々葡萄栽培家であった今村氏は、勝沼の町の葡萄栽培家が丹精を込めて作り上げた葡萄を、ワインという二次加工品の形で販売してゆくという理念に突き動かされていたのです。

実際、大手系列ワイナリーは勝沼に醸造所を保持しておりますが、勝沼産の葡萄はほとんど購入せず、海外からの濃縮バルクに頼っている状況です。

シャトー勝沼は長年にわたって勝沼エリアの各農協の最大の葡萄購入者であり、また最高額で買い取ることは地元ではよく知られた事実であり、現在も勝沼が葡萄産地であり続けている最大の功労者の一人であるといっても過言ではありません。

一方、同社は「鳥居平」という「日本のロマネコンティ」とも言うべき、甲州品種にとって唯一無二の最高の区画の最大所有者であります。

今村氏は、国産ワインがまだ「お土産ワイン」の域を出ない時代から、有機栽培によってその土地を丁寧に守り続け、その土地に根付く葡萄木との対話を続けてこられました。

 日本の土地の個性、造り手の職人魂をファインワインの世界へ・・・

我々ヴァンパッシオンは今村英勇氏にめぐり合えたという僥倖に恵まれました。

「我々の創業時からの夢」

「ファインワイン業界の流通の皆様のお声」

「類稀なる畑と哲学を持つ今村氏との出会い」

という3つの要因がクロスオーバーして、今回、新機軸の国産ワインの取り扱いをスタートさせて頂くこととなった次第です。

どうか、日本文化固有の個性を打ち出した「鳥居平今村」のワインをご愛顧いただけますよう、お願い申し上げます。

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