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多くのご応募を頂きまして誠に有難うございます。
11月から順次面接をさせて頂く予定でおります。
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■ つい先日、ワイン専門誌としてはもっとも部数の大きなワイナートさまが発売になりました。
その中の
「ワイン輸入元3社に聞く、ブルゴーニュ市場への視点」
という記事にて、当社についてのインタビューを1ページのサイズでご紹介頂きました♪
プロの方々の間では、当社の名前もそこそこ覚えて頂けるようになって参りましたが、一般の消費者、愛好家の方には、まだまだ無名の当社です。
こういった一般消費者向け雑誌の取材は、大変有難くお受けさせて頂いております。
しかし・・・ (><)
当社を応援下さっているワインショップさま、ソムリエさま、に、大変な誤解をお受けするような内容でしたので、出来上がりの本を見た瞬間に青ざめてしまいました。。。
昨年弊社をTVで取り上げていただいた際 にも、結構色々と怖い目にあいましたが、取材というのは、有難い反面、諸刃の剣でもあると、実感いたしました。。。
当社を応援下さっている方が、本記事を読まれてびっくりされると残念ですので、以下、長くなりますが、簡単にご説明させて下さい。
<インタビュー趣旨>
価格高騰により、今までとは違う局面を迎えた、現在のブルゴーニュ。
私たちは高いと嘆くしかないのか、それとも新たな道が開けるのか。
その鍵を握るのは、生産者と消費者のあいだにたつ輸入元たちだ。
彼らは現地の状況と日本の市場をどう捉え、何を課題とし、どのように解決しようとしているのか。
ブルゴーニュのスペシャリストとして名高い3つの輸入元をたずね、彼らのビジョンを聞いてみた。
<記事で紹介された当社見解・要約>
価格が高騰したので、昔のように有名なワインを並べるだけのショップやレストランは立ち行かなくなる。
これは数十年前のパリのビストロが直面したのと同じ事態。
セレクションは、ワインの「銘柄名」でなく「内容」という時代になった。
よって、(内容あるワインを選べるように)、ソムリエに対するエデュケーションが必要である。
また、高額なラグジュアリー市場を開拓するために、オープンプライスをやめて(つまり価格統制をして)、安売りをやめるべき。
そのためには、日本で当社だけが扱う独占生産者を増やすべきである。
ブルゴーニュを高いと嘆くのではなく、高いブルゴーニュでどうやって儲けるのかを考える方が商人として正しい。
高級ワインは消費者に選ばれて売るものではなく、消費者を選んで売るもの。
<実際のインタビュー>
上記の記事内容では、なんとなく、
「価格高騰は仕方がないのだから、お金持ちさんだけを選んで、高い値段で売れば良い」
という文脈に見えてしまいます。
こんな傲慢不遜なことを申し上げたわけではないのですが、不徳の致すところなのでしょうか(泣)
約3時間を超えるインタビューで、ラグジュアリー市場について語ったのは20分にも満たなかったと思います。
お話させて頂いた内容の一部が、前後のニュアンスを除いて、クローズアップされてしまったような形です。
同時掲載の3社のうち、他の2社さんは「無名でも美味しいブルゴーニュワインを開拓する力と情熱」をお持ちと評判の優良インポーターさんです。
当社が比較的著名で高価な生産者が多いスタイルであるため、記事の構成上の対比という意味で、そういった部分だけが取り上げられてしまったのかも知れません。
■ 私が3時間中、2時間半以上の中でお話したのは以下です。
1、理念
我々の理念は、「ワインの幸せを広げる」、です。
ですから、価格高騰によって、現在の当社取り扱いワインの一部が、ごく一部の方しか飲めない高額なものになってきている昨今を、ゆゆしき事態であると考えています。
2、我々の事業領域
我々はわずか20名という小企業であり、「売上何千億、営業マン何100人、事業所全国何十箇所」という規模ではありません。
一般の方に向けた1000円以下といった廉価なワインは、「ワインの幸せを広げる」という当社理念から、非常に興味があります。
一方、こういった価格帯のワインは、大手さんの規模の力がない限り、物流力、コスト競争力、利便性、といったものが提供できず、我々が参入しても消費者の皆様にメリットを出すことが出来ません。
我々のような小さな会社が消費者の方に役立てるとすれば、例えば、
ごく一般的なOLの方々が月に1-2度は、自分のご褒美のために、あるいはデートで、といったユーズで使えるような、ある程度以上本格的なフレンチレストラン(コースで2500円から7000円くらい)、そういった場所で飲まれるレンジのワイン(定価1,500円ー10,000円)
というところであり、そこをメイン領域としております。
この価格帯のワインは、我々のような小規模な会社だからこその強み、すなわち専門性、人と人の信頼、情熱、特別な温度帯による配送や保管・・・といった力が生かされるため、消費者の皆様にメリットをご提供できるレンジであると考えています。
プラスして、当社の特徴は、20数年前に取り扱いを始めたころは「無名」と言われていた、コシュデュリ、ラモネ、など、今日世界的に著名で高額となった造り手さんがあり、そちらを、しかるべき市場にしかるべき販売をしてゆくという形態があります。
他の多くのインポーターさんにはない、当社の特徴分野です。
当社の100を超える生産者群の中で、世界的な評判が高く、結果高額になっている、いわゆる「レア」な生産者というのは20%程度を占めますが、あくまでも長年、本物の職人さんによる芸術作品を追い求めてきた結果として、著名になった方も、まだそうなっていない方もある、という形です。
3、現在のワイン高騰への対応
当社では、2つの方策をとっております。
これについて2時間半、お話したのです。。。
1つが
★価格帯から逆算した商品開発
ドイツのリースリング辛口の可能性、国産白の可能性、ドイツのピノが意外と代替になりえるか、あるいは、イギリス南部のピノとシャルドネの未来はどうか、などです。
また、ブルゴーニュの中でも無名の産地や、無名の作り手もあり、ここを開拓できる能力があるインポーターであるかどうかが、今後の我々の存在意義にかかわるというお話をさせていただきました。
この点に対する認識については、他の2社の方々と全く同じ認識であります。
新規生産者開拓については、当社には2つの対応機能があり、1つがブランマネージャー制度、1つがプロモーションに力を入れる経営です。
当社のブランドマネージャー制度は、他社さんにあまりない形をとっております。
それは、「営業担当者が、バイヤーも兼ねる」というものです。
そのため、当社営業担当者は、営業能力だけではなく、バイイングにおける海外生産者との交渉能力、語学力、試飲能力、マーケティングへの深い造詣、プロモーションの企画立案や予算管理能力、といった数多くのスキルを求められます。
他社さんだと「頭脳部隊」と「営業部隊」にわけるマネージメントが多いのですが、日本の販売現場を肌で知っている人間にしか良い買い付けはできないという私の信条と、総合的な能力を持つワインマン、レディーが増えないとこの業界の発展(ワインの幸せを広げる)が達成されない、という考えに基づいております。
これらショップ様やレストラン様での販売の現場を知る人間が、エリアごとに日本を代表するようなスペシャリストとなり、新しい生産者を開拓するというのが、高額化するワインへの対応策の一つです。
もう一つの機能が、(著名なワインを売るには何も苦労はありませんが)、
「マイナーな産地や生産者であっても、非常に優れたワイン」
を広げて行くために、数多くのプロモーションを行なうという経営です。
これを行う場合、「人員3-6人・売上1-5億円」といった小規模な会社では、どうしても予算上・マンパワー上、「日銭を稼ぐ販売」しかできない経営となりますので、それで当社では過去3年、徹底した拡大路線をとってきました。
(著名ワインで、ラグジュアリ-市場だけを狙うならば、こんなリスキーで無茶な拡大路線をとりません・泣)
我々のような新興会社にとって、プロモーションへの先行投資というのは、財務的に非常に負担が大きいのですが、単に「売る、儲ける、生きながらえる」というだけであれば、何も新しい会社で苦労をする必要は全くありませんから、我々は常に理念・理想を追って、財務的な限界点までできる限りの努力をしております。
実際に当社は、新興会社だけではなく、日本の350-400社と言われる全てのインポーターの中でも、もっとも多くのプロモーションンをしている会社の1つであると自負しております。
なお、こちらのプロモーションについても、当社の各エリアの担当ブランドマネージャーが、企画立案、予算管理、販売管理、を行っております。
★ もう1つが、高騰した当社既存ワインへの対応方法です。
これには2つありまして、一つが、現地との価格交渉の重要性です。
多くのインポーターが現地生産者の言い値で買い付けを行っているケースがほとんどです。
当社は、「莫大な先行投資が必要で、かつ、天候リスクを負う存在の生産者さん」に対して、基本的に「値切る」という行為をしない方針です。
一方、
「このアイテムの価格は、日本のお客様が困るから○ユーロ安くしてもらわないと買えません、逆にこのアイテムは○ユーロ高くしても大丈夫なので、合計では同じになりますよね」
「この価格にしてもらえれば、50csではなく100cs買えるけれど、それがあなたのドメーヌにとってもMERITであれば、そうなりませんか?」
・・・といったような形で、WIN-WINを構築できるような価格交渉を行っている形です。
もちろん、少しでも安い方が良いことは間違いありません。
しかし、今の市場環境でどうしても値上げが余儀なくなるならば、できるだけ日本の消費者の方のために、あるいは、日本の健全なワインシーンの育成のために、やれることがあります。
例えば45000円のワインが3000円UPして48000円になることは、ある意味、日本市場は許容可能な面もありますが、3000円のワインが1000円UPして4000円になるのは、「欧米の年間ワイン消費1人辺り40-80Lに対してわずか2L強の日本市場」においては、健全な市場の発展を阻害してしまう要因となりえます。
世界的に著名な生産者というのは、基本的に日本にワインを販売しなくても、「全世界から引く手あまた」であるのは事実です。
だからといってそこで思考停止しないことが肝心ではないか、日本の消費者の実情を生産者に伝えて、一緒に長い目で日本のファンのことを考えてもらうのが大切ではないかとお話しました。
特に、日本人は
>その食文化ゆえに非常に繊細な味わいに反応できる舌があること
>味わいの背景にある、歴史や土地の個性を理解できること
>歴史的・伝統的に職人芸に対しての敬意を持ち、理解できること
・・・といった特質を持つという意味において、私は、ブルゴーニュワインを世界で最も理解し、愛することができるのは、日本市場がその1つであると考えており、これを生産者に理解してもらい、彼らの目先の利益だけではなく、彼らの子供・孫の代までを考えた、長いスパンでのお付き合いをお願いしております。
もう1つが、3時間中の20分でお話し、記事では圧倒的なスペースで取り上げられてしまった、日本のワインインポーターが非常に弱い世界である「ラグジュアリー市場の開拓」です。
ポルシェでもシャネルでもそうですが、非常に高額になったコモディティにおいては、物理的にそれを常態的に購買する力のある方々、すなわち、いわゆる富裕層の方々へのプロモーションが大切であるという風にお話しました。
多くの富裕層の方々が、高額な茶器、車、絵画、音楽、など嗜好性の高い分野に、思い入れや情熱をこめて、数百・数千万円といったお金を支払われております。
一方、ワインに対しては、会食時における「単なるぜいたく品の象徴」程度としてしか、支払いをされないケースがほとんどです。
その理由は、ワインを知らない、ワインの世界の夢を体験したことがないから、ではないか、それは今までどのインポーターも富裕層にワインの夢をお伝えできるようなマーケティング施策をしてこなかったからではないかとお話いたしました。
これが、あの記事の中で、取り上げていただいたことです。
ただし、インタビュー全体の中のごく一部分でしかなかった、とういのが事実です。
★ ちなみに・・・
「ヴァンパッシオンの1本辺り平均販売単価が2200円程度と予想外に低いのは、チリワインの売上が大きいから」といった記載もございました。
これは、
(1) インタビューでは全くそのようなお話をしておりませんし、
(2) 2200円平均というのは、(売上10億円規模以上の会社の中では)業界水準でもかなり高い数値だと思いますし、
(3) 当社チリワインの売上は、全売上高の5%に満たないのが事実ですし、
(4) 当社チリワインはエアライン国際線のファーストクラスでサービスされたり、シャトーマルゴーなどに勝利したりする高額なワインであって、当社販売単価を引き下げるブランドではありません。
・・・本当に、怖いものです(><)
長くなってしまいましたが、ゼロの段階から応援してくださったお客様や生産者の皆様に、大変な誤解をお受けするような記事の内容でしたので、ご容赦下さい。
当社は、
今までも、そして、これからも
創業理念を実現すべく
社員一同、頑張ってまいります。
どうか、引き続き、ご指導とご声援を賜れますよう、お願い申し上げます。
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